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製版とは?
印刷の品質を左右する重要工程を
わかりやすく解説
大量の印刷物を美しく、正確に刷り上げるために欠かせない「製版」。
製版についての基礎知識からデザインデータが印刷物になるまでの工程を、自社製版工場を持つプログラフが丁寧に解説します。
Section 01
製版とは何か
製版とは、「刷版(さっぱん)」と呼ばれるアルミ製の版を出力する工程のことです。

オフセット印刷では、家のプリンターやコンビニプリントのようにデータをプリンターに送って印刷というわけにはいかず、この刷版がなければ印刷を始めることができません。デザインデータから刷版を作り、印刷機にセットして初めてインキが紙に転写されます。
イメージとしては「大きなハンコ」に近いものです。デザインの絵柄が刷版に焼き付けられ、インキをのせて紙に転写する——これがオフセット印刷の基本的な仕組みです。
デジタル印刷(オンデマンド印刷)では製版工程が不要なため、少部数の印刷に向いています。一方、オフセット印刷は大量部数を高品質・高速で刷れる反面、製版コスト(版代)が発生します。用途や部数に応じて使い分けることが重要です。
※オフセット印刷…版を使用する一般的な印刷

製版は「版を作る工程」、印刷は「版を使って紙に刷る工程」です。この2つは別の作業であり、印刷会社によっては製版を外注している場合もあります。プログラフは製版・印刷を自社で一貫して行っています。
Section 02
CMYKと刷版の関係
フルカラー印刷では、4色のインキを重ね合わせてあらゆる色を表現します。この4色をCMYKと呼び、それぞれに対して1枚の刷版が必要です。つまり、フルカラー印刷では最低4枚の刷版を用意します。

ちなみに主に映像表示に使用されるRGBというものもあります。

RGBはそのままでは印刷に使用できないためCMYKに変換する必要があります。
印刷する色の順番は決まっている
フルカラー印刷では、インキを刷る順番が K(黒)→ C(青)→ M(紅)→ Y(黄)と決まっています。これはインキの転移を良くするため、面積が狭い順番で刷り始めるからです。
刷版は印刷機の「版胴」と呼ばれるローラーにセットされます。インキローラーで絵柄部分にだけインキがのり、「ブランケット胴」を介して紙に転写されます。この仕組みをオフセット(間接転写)と呼びます。

一度使った刷版は基本的に再利用しません。後処理をすれば繰り返し使えますが、保管中の経年劣化による印刷トラブルを防ぐこと、また後処理の時間を省いて印刷時間を確保することが主な理由です。
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トンボと塗り足しについて
トンボ(トリムマーク)とは、仕上がりサイズや加工位置を指定したり、印刷の版ズレを確認したりと、印刷に必要不可欠なものです。

塗り足しとはそのままの意味で「仕上がりサイズにプラスして塗り足す範囲のこと」です。
上記の画像で言う緑色の部分のことです。一般的に断裁位置より外側に3mm色がはみ出るようにします。
これがないと断裁がズレた際に紙の地の色が見えてしまうため、綺麗に仕上がりません。背景色や背景写真等がある場合は必ず塗り足しが必要となります。
Section 04
インキ総量について
インキ総量とは、重ね合わせるインキの合計のことです。
CMYKだと各100%として400%が上限となりますが、印刷する際はそれを300%以下にする必要があります。
紙にインキがたくさん乗ってしまうと乾くの時間がかかったり、印刷中にインキがはがれたり、印刷物を重ねた際に裏に写ってしまいます。それを防ぐためにも当社の場合300%以下とする必要があります。
このほかにもチェック項目がある場合は個別にご案内します。

不必要な箇所がリッチブラックになっていないかを確認します。

通常黒はKを何パーセントにするかで濃度を調整できますが、より深みのある黒にするため、CMYを掛け合わせることがあります。その掛け合わせの黒をリッチブラックと言います。
ですが、RGBの画像を自動変換したときなど意図せずリッチブラックにしてしまうと、印刷の版がズレた際に他の色が見えてしまう場合があるので注意が必要です。
Section 05
製版の4つの工程
デザインデータを受け取ってから刷版を出力するまでに、主に4つの工程があります。各工程でミスがあると印刷品質に直結するため、経験と専門知識が求められる作業です。
入稿されたデザインデータに問題がないか確認します。主なチェック項目は以下の通りです。データに不備があると印刷後に修正が効かないため、この工程が最も重要です。
- CMYKモードか
- 解像度は適切か
- フォントの埋め込み
- 塗り足しの有無
- リンク画像の確認 など
印刷用紙に複数のページやデザインを効率よく配置する作業です。用紙サイズに合わせて複数の面を1枚に並べることで、印刷・断裁の効率が大幅に上がります。折り加工や製本を前提とした面付けも行います。
例えば、A4のチラシを作りたい時、A4サイズの紙に一枚ずつ印刷していくわけではありません。
大きな紙に、A4の何枚か並べて一気に刷っていきます。

こうすると一度に8枚印刷できます。

こうすると、2種類のチラシが一度に印刷できます。


ページ物を印刷するときは、折った時にきちんとページ順になるよう面付けします。中綴じ、無線綴じ、綴じ方によって面付けも変わるので気をつけないといけません。
印刷するものによって面付けを変えるので、気をつけながら面付けをしています。
実際の印刷物に近い状態で色・文字・レイアウトを確認する工程です。色校正(本番と同じ用紙・インキで少部数刷る)や、簡易校正プリントで確認します。お客様にご確認いただく場合もあります。
CTP(Computer to Plate)という機器を使い、データを直接アルミの刷版に焼き付けます。かつてはフィルムを経由していましたが、現在はデータから直接版を作るため、精度と速度が大幅に向上しています。
- CTP出力
- 版検査
- 印刷機へセット
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よくある質問
Q. 製版代(版代)とは何ですか?
刷版を作るための費用です。オフセット印刷では色数分の版が必要なため、フルカラー(4色)の場合は4枚分の版代がかかります。同じデータで増刷する場合、版を保管していれば版代を省ける場合もありますが、プログラフでは品質管理の観点から基本的に版の再利用は行っていません。
Q. 製版と刷版(さっぱん)は何が違いますか?
「製版」は工程(プロセス)の名称で、「刷版」はその工程で作られる成果物(アルミの版)のことです。「製版作業を経て刷版ができる」という関係にあります。
Q. 入稿データはRGBではダメですか?
印刷はCMYKのインキで行うため、データもCMYKモードで作成する必要があります。RGBデータをそのまま印刷すると、色が大きく変わってしまうことがあります。IllustratorやPhotoshopのカラーモードをCMYKに設定してから作業することをお勧めします。
Q. 製版だけ依頼することはできますか?
はい、製版のみのご依頼も承っています。ただし、プログラフでは製版から印刷・加工・納品まで一貫してお任せいただくことで、工程間のミスを最小化し、品質の高い仕上がりをご提供できます。まずはご相談ください。
Q. デジタル印刷と何が違いますか?
デジタル印刷(オンデマンド印刷)は製版工程が不要で、データから直接印刷します。少部数・短納期に向いています。一方、オフセット印刷は刷版を作るコスト・時間がかかりますが、大量部数になるほど1枚あたりのコストが下がり、発色の安定性も高くなります。
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